陽の目を見ないチラシ
ずいぶん前になるが、ある地方都市に行った時に高速道路に入ってすぐに渋滞に遭遇した。
道路上の電光板によって、前方2kmのところで事故があったことがわかった。何といってもランプから入ったばかりで、ほかに逃げ道はない。そのままのろのろとしか動かない高速道路を走り続けた。走るといっても、歩いた方が断然早いくらいのスピードだったが。
20分ものろのろと動いて、ようやく事故現場にたどり着いた。すると、初夏だというのに吹雪のような惨状。よく見ると舞っているのは"チラシ"だった。
色とりどりの紙が、事故現場を中心に渦を巻くように散らばって宙を舞っている。どうやら配送途中のチラシを積んだトラックが接触事故で横転したようだった。
大量に散乱した紙を片付けるのが大変だなぁと、たぶん大きなお世話と思われるようなことを思いつつ、この広告はきっと陽の目を見ることはないのだろうなと、ふと寂しい気持ちになったのを昨日のことのように思い出した。
